介護問題は熟年再婚を阻む高い壁。その人が寝たきりになっても愛せますか?
熟年再婚の場合、「介護問題」は待ったなしで二人を直撃するでしょう。
親の介護と、自分たち自身の介護。その問題にどう立ち向かっていけば良いのでしょうか。
熟年離婚で「後悔したこと」にもよく上がる介護の問題について考えてみました。
若い頃の結婚とは違って、熟年再婚は自分たちも親も年を取っています。
以前ならば想像もつかなかったような苦悩や葛藤を抱える可能性も高く、結婚は「自分たちが愛し合っているからそれでいい」とはいかないのが実情のようです。
例えば、50代で熟年再婚した場合。
その親は、若くても70代半ば~でしょう。
親が80代、90代という可能性だってあり得ます。
そうなると、結婚した時点で親は要介護状態になっているかもしれませんよね。
あらかじめそれを了承の上で再婚するのであれば問題ありませんが、「姉が介護をしているから大丈夫と聞いていたのに、実際は私がアテにされていた」なんてこともあり得ますのでご注意を。
高齢ですから、痴呆が始まっていたり、変に頑固になって扱いにくくなっているかもしれません。
そんな状態でいきなり同居、介護・・・これはハッキリ言ってキツイです。
熟年再婚する場合は、若い頃の結婚以上に「親の介護はどうするのか」についてじっくり話し合って結論を出してから籍を入れることをオススメします。
60代、70代の熟年再婚だと、その親はもう亡くなっているケースが多いでしょう。
しかし、次に直面するのは互いの介護です。
愛を誓い合ったのも束の間、数日後には急な脳卒中で要介護状態に・・・なんてこともあり得ない話ではありません。
実際、うちの父は50代になってすぐにクモ膜下出血を発症していますので、60代、70代ともなればそのリスクもグッと上がっているでしょう。
今日、明日、いつ介護が始まってもおかしくない状態で結婚するのは実はとてもリスキーなことです。
互いに支え合うためにパートナーが欲しい。
熟年再婚する方の多くはそんな思いを持っているのかもしれませんが、現実はきれいごとばかりではありません。
自分は支える一方で、結局相手のほうがさっさと逝ってしまうということだってあり得るわけです。
熟年再婚となるとなかなか子供(前妻、前夫との子)には頼れないでしょうし、一人で抱え込むことになって一気に老け込む、そんなシナリオも十分に考えられます。
自分の両親を見ていて思うことですが、結婚生活で共有した時間は他人には到底わかりえない二人だけの強い絆を育むようです。
片方が体調を崩せば、もう片方が病院に付き添い、入院の手続きやら準備やらに奔走する。
逆もまた然り。
傍から見れば「大人なんだから、病院くらい一人で行けるでショ」と思ってしまうのですが、ある年齢を超えると夫婦はまさに“つがい”となって行動するんですね。
母曰く、そうすることで自分自身も安心できるのだとか。
他の誰でもなく自分が相手を支えている、そう思えることに満足していた時期もあったそうですが、ある時「逆に、いつも自分が守られているのだ」と気付いたのだそうです。
傍から見れば母が父を一方的に介護していて「大変そうだな」と見えるのですが、本人は「守られているのは自分だ」と思っているんですね。
そんな心境に至るまでは、長い長い年月が必要だったと思います。
熟年再婚で、相手に対してそこまでの愛を持つことができるでしょうか?
「あなたを介護することが私の幸せだ」という心境に至るのはなかなか難しいのではないかと個人的には感じています。
熟年再婚の場合、仕事も子育ても終わっているケースがほとんどでしょうから、共有するハードルはただ一つ。
「相手の人生を背負う」というのは「相手を介護すること」に直結すると言っても過言ではないでしょう。
そこまでの覚悟があるかどうか?熟年再婚はこれ以上ないくらいのハードルの高さで「愛」を試す決断と言えるでしょう。
熟年再婚をする上で壁となるであろう「介護」の問題について考えてみました。
再婚を決意するにあたって意識すべきポイントは、
- 結婚した翌日から高齢の親の介護が始まるかもしれない
- 支え合うはずが、結局は相手の介護で結婚生活が終わってしまうかもしれない
- 相手を支えることが自分の幸せ、と思える境地に至るには長い年月が必要
身の回りのことを自力でできなくなるどころか、近い未来にあなたのことを忘れてしまうかもしれない。
熟年再婚は、そんなリスクが高い結婚です。
それでも一緒にいることを選ぶのか、それともつかず離れずの関係で長くお付き合いするのか。
年齢を重ねれば重ねるほどに、男女の関係性には選択肢の幅が広がっていくように感じます。
結婚だけが恋愛のゴールではないのですから。
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