香典に偶数の金額はNG!!ダメな理由とふさわしい額は?

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目次

一般的に、香典を包む時は「偶数の金額は良くない」と言われています。

 

それは一体ナゼなのか、また、それなら一体いくら包むのが常識的なのか?

 

偶数がNGとされている理由と、理想的な香典金額について一般的な見解をまとめました。

 

なにかとタブーが多い仏事の世界。

 

香典にも避けたほうが良い金額があるってご存知でしたか?

 

金額のタブー

日本人は、面白いほど“縁起”にこだわる民族ですよね(笑)。

 

その国民性は香典の金額にも表れているんですよ。

 

例えば、「偶数の金額は良くない」ってご存知でしたか?

 

すなわち、「二」とか「四」はダメなんです。

 

なぜかと言うと、割り切れるから。

 

「切れる」=故人とこの世のつながりが切れてしまうということで、忌み嫌われているんです。

 

同じく、「苦しむ」という意味に通じるということで「九」や「四」も避けるべしというのが一般的常識です。

 

普通に考えると、二万円って無難な金額なんですけどね(笑)。

 

最近では、こうした古くからのしきたりに過度にこだわる必要はないという柔軟な考え方も出てきていますが、それでもやっぱり受け取る人によっては不快な気分になるかもしれませんし、避けておいたほうが良いような気がしますね。

 

偶数がダメな理由はもう一つある

偶数のように割り切れる数字は、故人と遺族との関係が切れてしまうことを連想させる。

 

だから、香典で偶数の金額を包むのはNGですよというお話をしましたが、実は偶数がダメな理由はもう一つあるのです。

 

それは、偶数が「重なる」数字だから。

 

完全に“こじつけ”な感じもしますが、倍々で増えていくことを連想させるため「不幸が重なる」「不幸が続く」と解釈されてしまうのです。

 

なので、古いしきたりを固く信じている年代の方だと、偶数の金額の香典=「不幸が重なることを暗に願っている」という風に捉えてしまい、激怒するかもしれません。

 

※ちなみに、奇数であっても「9」は「苦しみ」を連想させるのでNGとされています。

 

日本では特に慶事と弔事に際してこういった縁起を気にするので、お子さんがいらっしゃるなら小さいうちからこういうルールを日常生活の中で少しずつ教えていくべきだと思いますし、若い方でそういった知識に自信がなければ年長者に確認してから行動するのが安心です。

 

せっかく葬儀に行ったのに、「なんて失礼な人なんだ」と思われてしまうのは不本意なことですよね。

 

ですから、やはり偶数の金額は避けておくのが無難と言えるでしょう。

 

もし2万円包むなら「一万円札を1枚、五千円札を3枚」にするなど、ちょっと配慮したことがわかるような心遣いが必要です。

 

では、いくら包めば良いのか?

香典の金額で、偶数はNG。

 

となれば、必然的に奇数の金額が良いということになりますよね。

 

結婚式のご祝儀だったら「三(3万円)」か「五(5万円)」ということで、「一(1万円)」はさすがに少なすぎ・・・という暗黙の了解がありますが、実は香典の場合は「一」でもOK。

 

相手との関係性や自分の年齢、立場によっても金額には幅がありますが、場合によっては3,000円でも良いんです。

 

というのも、喜ばしい出来事ではないため、奮発して多めに包んでしまうことはかえって失礼に当たるからです。

 

「あまりに急なことで、用意がなくて」というニュアンスを含めて、新札ではなくて旧札にするべきというルールもあるくらい。

 

20代~30代を例にとってみると、両親が亡くなった場合はさすがに最低でも5万円は包まないといけませんが(※自分が喪主を務める場合は必要ありません)、祖父母でも1万円、職場関係者なら5,000円~、取引先や友人なら3,000円~といった具合です。

 

参考までに、香典の金額の相場をまとめておきますのでぜひ参考にしてみてください。(関係性によって金額を判断する必要があります。)

 

  • 親 5万円~10万円
  • 祖父母 1、3、5万円
  • 兄弟姉妹 3、5万円
  • 叔父・叔母 1、3万円
  • その他の親族 3,000円、5000円、1万円、3万円
  • 友人・知人 3,000円、5,000円、1万円
  • 仕事関係 3,000円、5,000円、1万円

 

家族葬だった場合はいくら包む?

最近は、「葬儀は家族葬で行います」というケースも増えています。

 

家族葬とは、身内(親族)とごく親しい人だけを呼んで執り行う小規模なお葬式のこと。

 

故人がそれを望んでいた、というケースも多いですね。(実際に、私も母から「私に“万が一”があったら家族葬にしてくれ」と言われています)

 

もし身近な人(例えば会社の同僚など)の親族が亡くなった場合に「家族葬にします」と言われたら香典はいくら包むのが正解なのでしょうか。

 

一般的な葬儀だと、「偶数は禁止ルール」も考慮して3,000円、5,000円、1万円が相場ですよね。

 

同じ部署でそれなりに付き合いが深いのであれば、やはり5,000円は包むのが礼儀です。

 

家族葬の場合も同様で、葬儀の規模にはよらず5,000円もしくは1万円にしましょう。

 

「家族葬なら規模も小さいし、香典を辞退する家もあるくらいだから3,000円でいいのではないか」というご意見もありますが、出席するのであればやはり5,000円は用意したほうが良いですね。

 

一方、もし先方が香典を辞退するということであれば、その気持ちを汲んで、お渡しするのは控えましょう。

 

無理に渡すと、そのお返しの準備などでかえって気を使わせてしまいます。

 

香典は、あえて渡さないことが思いやりになることもあるのです。

 

ちなみに、職場の同僚に渡す香典についてはこちらの記事でも解説しています。

 

⇒ 勤務先の同僚への香典の金額

 

迷った場合はぜひ参考にしてみてくださいね。

 

「お札の枚数が奇数なら問題ない」は正解?

「金額が2万円でも、お札の枚数が奇数になるなら問題ない」という話を耳にしたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。

 

例えば、1万札が1枚と5千円札が2枚で合計2万円とか。

 

これについては、原則的にはNGです。

 

香典はあくまでも「金額」で判断されますし、そのやり方は少々“セコい”ですよね。

 

自分がその香典をいただく立場だったとしたらどう思うのでしょうか?

 

また、種類がバラバラのお札を入れられると管理するのも大変です。

 

原則的なルールとして、「お札の種類はそろえる」「札の数は最小限で」というポイントを押さえておきましょう。

 

香典の奇数・偶数問題についてはこちらの記事でも紹介していますので是非ご覧になってみてください。

 

⇒ 香典の金額は奇数でと聞きましたが、、、

 

連名だったらどうするの?

しかし、例えば職場関係のお付き合いで香典を出す場合などは、複数人がお金を出し合って一つの袋に入れて持って行くというケースも多いですよね。

 

その場合は、それぞれの“お気持ち”で金額は変わってくるでしょうし、集めてみなければいくらになるかわかりません。

 

結果的に偶数になってしまったらどうすれば良いのか。

 

これについては、「連名の場合は偶数や端数(12000円など)になってもそのまま包んでOK」とのこと。

 

葬儀に関するプロの方がそのように回答しているサイトがありましたので、間違いない情報でしょう。

 

ただ、気になるのであれば、「あらかじめ金額を決めて(奇数の金額になるように)、それを人数で割る」という方法が賢明です。

 

香典を募る時に、例えば「1万円包もうと思っているので、人数で割った金額を請求します」という風にアナウンスしておくと賛同するほうもわかりやすいですね。

 

夫婦で一緒に出席する場合は?

職場の人と、何名かで連名で香典を包む。

 

そんな状況と並んで迷ってしまうのが、夫婦で法事に出席する場合です。

 

我が家でも何度かそういったシチュエーションがありましたが、夫婦でそれぞれ香典を包むべきか、それとも連名で包むべきなのか・・・、20代の頃は知識がなく、今思えば恥ずかしい間違いをしてしまったこともありました。

 

さて、夫婦の場合の香典ですが、一般的には「夫婦で一つ」。

 

金額は、故人との付き合いの深さにもよりますが「1万円」と考えておけば間違いないでしょう。

 

※一万円の包み方は、こちらを参考にしてみてくださいね。
⇒ 金額は一万円。香典として包むならどんな点に注意すべき?

 

一万円分の香典を夫の名前で包み、その他にお花(供花)を贈るというパターンもあります。

 

ただ、問題は法事の後に会食がある場合です。

 

「お斎」といって、これも法事の一部ですから基本的には最後まで同席するのが礼儀というもの。

 

「会食の分だけ、香典に上乗せして包む」というのが一般的で、金額としては1万円くらいみておけば良いと言われていますので、夫婦で出席するのであれば香典は「3万円」が一つの目安となるでしょう。

 

正解はあってないようなものと心得よ!

ただ、香典の金額目安はあくまでも「相場」。

 

相手との関係性(つきあいの深さ)によっても変わりますし、地域によっても違います。

 

また、家族葬の場合は香典を受け取ってもらえないケースもあります。

 

正解はあってないようなものなので、迷ったら親族や友人に確認してみるのが賢明です。

 

とはいえ、「偶数は避けたほうが良い」というのは全国的に通用する一般常識のようなので、ここは押さえておきたいところです。

 

ちなみに、永代供養かどうかということについては、参列する側としては特に気にする必要はないようです。

 

いずれにしても、一番大事なのは「故人への感謝の気持ちと、親族へのいたわり」

 

真摯に手を合わせることができれば、香典の金額は自分の身の丈にあった金額で十分なのです。

 

やっぱり気になる!みんなが包んでいる金額

こうして調べてくると、「じゃあ、みんなはどのくらいの金額を包んでいるんだろう?」というのが気になりますよね。

 

偶数がダメなら奇数。

 

3000円で良いのか、それとも5000円か?1万円か?その微妙な金額差は悩ましいところです。

 

参考としてご紹介したいのが、「みんなの終活」という終活サイトで紹介されていたこちらのアンケート結果。(※親族のお葬式に参列する場合を想定しています)

 

⇒ みんなの終活 【アンケート&監修】香典の金額相場は?間柄・年齢で変わる?避ける金額も

 

100人を対象にして実施したというアンケート調査では、

 

  • 3,000円~ 23%
  • 5,000円~ 34%
  • 10,000円~ 39%
  • 30,000円~ 3%
  • 50,000円~ 1%

 

という結果だったそうです。

 

この結果だけ見れば、

 

  • 親族の葬儀でも、香典は3,000円で良い場合もある
  • たいていの人は10,000円~30,000円包んでいる

 

ということがわかります。

 

このアンケートだと年齢や関係性はわからないので、ざっくりし過ぎていてあまり参考にならないようにも思われますが、世の中の傾向をつかむには使える資料だと思います。

 

2万円は偶数でNGなので、1万円か3万円を包むのがスタンタードだということが見て取れるでしょう。

 

個人的には、回答者の半数以上が1万円未満だというのがちょっと意外な感じがしました。

 

友人や知人であればわかるのですが、親族だと自分が20代であっても1万円包むのが礼儀だと書かれているサイトもありますよね。

 

しかし、世の中の大半の人は親戚の葬式であっても1万円も包んでいない。

 

昔と今とでは時代も変わって人々の懐事情も物価も変わっていますので、香典の金額も時代と共も変わっていくのかもしれません。

 

案外、香典の金額というのはその時代の経済状況を良く表している数字なのかもしれませんよ。

 

また、こちらの記事でも書いたように、「親戚」といっても付き合いの程度は様々。

 

⇒ 叔父といっても付き合いは色々、香典の金額は相場だけに頼れない

 

香典の金額を決める場合は、自分の年齢や立場、故人との血縁上の関係性に加えて「お付き合い深さ」も考慮する必要がありそうです。

 

香典の新解釈!実は「二万円」はダメじゃないかも

「香典で偶数の金額を包むのは縁起が悪い、だから二万円包むのも避けたほうが良い」

 

このサイトでもそのような方向性で話を進めてきましたが、実は最近、「二万円はOK」という新しい解釈もあるんです。

 

例えば、香典としては一万円包み、その他に「食事代」を上乗せしてお金を入れたいという場合。

 

いくらなんでも三万円は多過ぎるけど、かといって一万五千円はちょっと中途半端だ・・・という場面もあるでしょう。

 

そんな時は、二万円包むのは問題ありません。

 

余分に三万円包んで気を遣わせるよりは、潔く二万円のほうが良いでしょう。

 

ただ、「夫婦連名で香典として一万円包んでさらに食事代を上乗せして包みたい」という場合は三万円が妥当な金額です。

 

「食事代は二人で一万円でいいんじゃないの?」という考え方もありますが、法事の食事はこだわる人はこだわるので、実は@1万円くらいかかっているケースがほとんど。

 

食事代を上乗せする場合はその辺のことも考慮する必要がありますね。

 

ちなみに、同じ偶数でも、「死」を連想させる「四」は絶対にダメですが、「二」ならば問題ないという説が有力です。

 

どうしても気になるようであれば「一万円札と五千円札を二枚」で札の枚数を「三」という奇数にするという方法もあります。

 

が、あまり一般的ではないようなのでお勧めできません。

 

相手がその意味を解ってくれると良いのですが、もしわからないと「常識がない人」というレッテルを貼られてしまうかもしれませんので気をつけましょう.。

 

二万円が良いなら二千円も良いの?

前項で「二万円は偶数だが、例外的に許されることがある」というお話をしました。

 

そうなると、「じゃあ二千円はどうなんだ?」という疑問が沸きますよね。

 

あまり親しい間柄でなければ「三千円」という金額が候補に挙がってきますが、二千円はどうか・・・。

 

これについては、「絶対にダメとは言えないが、ケースバイケース」が正解でしょう。

 

二万円と同じように、マナー違反ではありません。

 

昨今では仏事の世界の“常識”も少しずつ変わってきているため、二万円や二千円を香典とする方も少なからずいらっしゃるようです。

 

ただ、地域性や親族の間にある暗黙のマナーも考慮すべき。

 

広く世間一般では「OK」とされている行動も、特定の地域では「非常識」のレッテルを貼られてしまうことがあります。

 

年配の人が多い地域では特にその傾向が強くなるので、必ず他の親族の方に確認することをおススメします。

 

また、香典として二千円という金額を選ぶ際には「香典返しのご配慮は辞退させていただきます」と香典袋に一筆箋を同封するようにしましょう。(2000円だと香典返しのほうが高くなってしまう可能性があるので、そうならないための配慮です。)

 

やっぱり「3」が安定感あり!世間が3万円を好む理由

偶数はダメとなったら、たいていの方は「1万円か3万円」で悩むでしょう。

 

相手との関係性を考えれば、5万円というのはちょっと額が大きすぎるからです。

 

そして、世間の方の声を聞いてみると多くは「3万円が無難だ」という結論に至っているよう。

 

実は「3」という数字は無難なだけではなく非常に安定感のある数字です。

 

たとえば人間関係ひとつ取ってみても、二人だと喧嘩したらそれでおしまいになってしまうかもしれませんが、もう一人いるとその人が仲裁に入ってくれる可能性があり、結果的に人間関係を安定させることにもつながるのです。

 

数字の形を見ても、「3」は1や2に比べて丸みを帯びていて安定感があり、見る人の心を和ませる雰囲気があります。

 

ゆえに「3」は調和や安定を意味する数字で非常に縁起が良いと言われているんですね。

 

日本人はゲン担ぎが好きな国民性ですから、意識的に・・・というよりも無意識的に縁起の良い数字を選んで使っている可能性も否定できません。

 

ユング心理学の「集合的無意識」で言われているように、こういった国民性は自然とみんなが共通して持っている感覚でもあるので、一般常識プラスαでこういう感覚を磨いておくと公私問わずいろんな場面で役立つでしょう。

 

コロナの影響で葬儀業界も激変!話題の「ステイホーム葬」とその香典

新型コロナウィルスの影響は葬儀業界にも及び、葬儀の形式そのものが大きく変わりつつあります。

 

注目されているのは、「ステイホーム葬」や「オンライン葬儀」。

 

従来の「家族葬」よりもさらに参列する人を絞り、基本的には家族以外の人はオンラインで参加するような形になります。

 

ZoomやYouTubeライブなどビデオ会議システムを利用して葬儀の様子を中継、他の参加者はオンラインで参列するんですね。

 

これなら、離れた場所に住んでいる方でも交通費などの負担なく参列できますし、案外、遺族にとっても参列する側にとってもメリットの多い葬儀スタイルではないかと個人的には感じます。

 

流行りの「スマート化」の波は葬儀の世界にも押し寄せていて、香典をクレジットカードで支払える「香典預かり機能」などのシステムも開発されているんです。

 

ちょっと味気ない感じもしますが・・・、現金とは違ってシステマチックにお金のやり取りができるので、「これじゃ少ないだろうか」と悩むことがあまりなくなるんじゃないか?という気がしています。

 

一例ですが、「やさしい一日葬+オンライン葬儀」で278,000円~というプランを販売している葬儀社もありましたのでご紹介しておきます。

 

やさしいお葬式 公式サイト オンライン葬儀7選!オンライン葬儀(オンライン葬式)の流れ・費用おすすめのサービスを解説!
出典:やさしいお葬式 公式サイト オンライン葬儀7選!オンライン葬儀(オンライン葬式)の流れ・費用おすすめのサービスを解説!

 

オンラインシステムそのものの使用料は3万円くらい。

 

今後、たとえコロナが終息したとしてもこういったスタイルがスタンダードになる可能性は十分に考えられるので、葬儀にまつわる常識も変わっていきそうですね。

 

そもそも香典の金額は誰が確認するの?

結婚式の場合は、ご祝儀の袋を開くは新郎新婦自身ですし、誰がいくら包んでくれたかを確認するのも当人。

 

嫌でもその金額はわかってしまいますので、「○○さんが〇万円包んでくれた!」という個人的な感情を抱かせてしまい、その後のお付き合いにも多少は影響を与えてしまいます。

 

では、葬儀や法事の場合は?

 

特に葬儀は、遺族は悲しみの渦中になるわけですから、「香典は葬儀社が集計するのでは?」「だったら、いくら包むかをあまり気にする必要はないのでは?」と思われる方もいるでしょう。

 

これは遺族の立場にならなければわからないことなので、想像もつかない方も多いかもしれません。

 

実際は、香典の確認は遺族が行います。

 

「香典開き」という言葉もあって、早ければ葬儀当日に、遅くとも49日の法要までに金額を確認してお礼の品を用意しなければいけません。

 

ですから、「誰がいくら包んだか」は遺族にも知られてしまうのです。

 

大切な方を亡くした直後ですし、結婚式の時とは違っておめでたいことではないので心情も違いますが、冷静な方だと「この金額はちょっと常識ないな」と思ってしまうかもしれません。

 

やはり、金額や包み方など最低限の作法をおさえておくに越したことはありませんね。

 

四十九日の法要に香典は必要なの?

仏教では、「亡くなった人の魂は49日かけて旅をして、その間に裁きを受けて来世の行き先が決まる」という考え方があります。

 

なので、49日目は遺族にとっても大切な日。

 

「故人が、とうとう本当に旅立ってしまう日」という意味があるので、四十九日法要を行って本当のサヨナラをするというイメージです。

 

しかし、出席する立場としてちょっと引いた目線で考えてみれば、「葬儀でも〇万円単位の香典を渡しているのに、四十九日でもお金を用意しなくちゃいけないの?」という疑問が生まれます。

 

これについては、基本的にはやはり香典を用意するのが常識。

 

親族なら1~3万円、知人・友人の場合は5,000円~1万円が相場です。

 

法事の後に会食があるなら5,000円~1万円上乗せするのがマナーですが、新型コロナウィルスの影響で法事のあり方も様変わりしているようです。

 

具体的には、感染拡大の防止や出席者の経済的な負担を考えて「四十九日法要は誰も呼ばない」というスタンスの方が増えています。

 

また、「法要はするけれども、香典は辞退します」というケースも多いですね。

 

あらかじめ「香典は辞退します」と言われている場合は、そのままお言葉に甘えてしまってOKです。

 

しかし、「これは本当に持参しなくていいの?他の人はどうするの?本当に用意しないのかな?」と不安に思うケースもありますよね。

 

それなら、念のため用意して行って、会場で周りの様子を見て状況に応じて対処すれば良いのです。

 

これは仏事全般に言えることですが、判断に迷った場合は「どっちでも対応できるようにする」が鉄則。

 

正解はあるようでいてなく、ないようでいてあって、間違うと「常識がない」なんて言われてしまう世界なので、柔軟性を大事にしたほうが良いですね。

 

コロナ渦にあって「常識」が大きく覆されつつある昨今ですから、なおさら、思考の柔軟性を高めることが失敗回避につながります。

 

コロナ渦ならではの悩み?「1000円の香典」はアリなのか。

コロナ騒動の影響で、明日食べることさえままならない方が出てきている昨今。

 

仏事関係の質問箱で、「香典は1000円でも良いのですか」という質問をされている方がいました。

 

一般的に香典は偶数を避けて「1・3・5」の金額が選ばれます。

 

その定義でいくと、1000円はマナー違反ではないように思われます。

 

ただ、葬儀のプロの方の回答・解説によれば、「最低でも3000円は包むようにして欲しい」とのこと。

 

理由は、香典返しのほうが高くなってしまう可能性があるからです。

 

家族が亡くなって香典をいただいた場合、香典返しの相場は2,000円~3,000円と言われていますので、1000円だとバランスが悪い。

 

何人かの連盟で香典を渡す場合以外は、「1000円」はあまり現実的な数字ではありません。

 

なので、もし、経済的あるいは故人との関係性を考慮した上で「1000円しか包めない」と判断した場合は、「香典返しは辞退させていただきたくお願い申し上げます」と手紙を入れて包みましょう。

 

「1000円か・・・」と思われるか、はたまた「1000円でもありがい」と思ってもらえるか。

 

香典はあくまでも “気持ち”を包むものなのであまり無理をする必要はありませんが、受け取った相手がどんな気持ちになるかということも想像してみることが大事ですね。

 

コロナで参列者が少ない!香典の額はどうすれば良いの?

新型コロナウィルスの影響で葬儀の形式も様変わりする中、参列者をグッと絞って葬儀を執り行うケースも増えています。

 

そこで、葬儀に呼ばれた方の中にはこんな不安を覚える方もいるようです。

 

「参列者が少ないということは、香典の総額も少なくなるということだよね。遺族の負担を減らすためには、参列する私たちがもっと多く包んだほうが良いんだろうか?包むべきなんだろうか?」

 

確かに、香典には遺族の方を慰めると共に「経済的な負担を分け合う」という意味も含まれているので、その点に気を遣う方もいるでしょう。

 

しかし、これについては「従来通りで良い」というのが葬儀のプロの方の見解です。

 

親族であれば5~10万円の範囲内でできることをしてあげれば良い。

 

一方、友人・知人など一般の参列者については従来通りに「親しさの度合い」に応じた金額を包めば良いと解説されていました。(従来通り、5,000円、1万円、3万円のいずれか)

 

気の利く方だと多く包んでしまったりもするかもしれませんが、それだともらった遺族側も気を遣いますよね。

 

また、規模を縮小して執り行うのであれば経済的な負担も減っているはず。

 

お斎(食事)を行わず仕出し弁当をお渡しするだけにするケースも増えているので、あまり出過ぎたことはしないほうが良いでしょう。

 

袱紗(ふくさ)、持ってますか?

不幸の知らせは、いつ舞い込んでくるかわかりません。

 

それは、老いも若きも同じこと・・・。

 

香典にいくら包むのか?という“額”のことばかり気にしがちですが、渡す際の形式についての知識も頭に入れておくべきでしょう。

 

たとえば、みなさんは「袱紗(ふくさ)」を持っていますか?

 

若い方だと、「なにそれ?」という方も多いかもしれません。

 

袱紗とは、もともと贈答品を運ぶ際に「日よけ」として使われていたもの。

 

今では、冠婚葬祭の際にのし袋を包むために使われることがほとんどです。

 

香典も、この袱紗に包んで持参するのが常識なので、手元にないという方はぜひ1枚は用意しておきましょう。

 

ネット通販でよく売れているのは、コチラの商品。

 

高級ちりめん素材で、価格のわりに安っぽく見えませんし、ポーチのような形状なので「包み方がわからない・・・」とまごつくこともありません。

 

楽天市場 公式サイト 高級ちりめん素材仕様 日本製ふくさ(袱紗)
出典: 楽天市場 公式サイト 高級ちりめん素材仕様 日本製ふくさ(袱紗)

 

法事用に購入するなら、黒、紺、緑、灰など暗い色を選ぶと良いでしょう。

 

おめでたいこと、不幸の両方のシーンで兼用できるものが欲しいという場合は紫色を選ぶのがおススメです!

 

「弔事は左開き、慶事は右開き」という違いもあるので、使い方の注意もしっかり読んでおいてくださいね。

 

陰陽思想から見た偶数と奇数

「偶数はダメ、奇数はOK」という考え方の根っこには、中国でおなじみの「陰陽思想」もあります。

 

これは、「この世の全ての物は、陰と陽に分けられる」という考え方。

 

たとえば、男は陽、女は陰。

 

太陽は陽、月は陰です。

 

この法則を当てはめて考えると、奇数が陽で偶数が陰。

 

「ああ、なんだか混乱しそうだ・・・」という方は、「太陽=喜びの象徴。奇数は喜数だ」と(陽、奇、喜をセットで)覚えておくとわかりやすいのではないでしょうか?

 

一方で、中国では「2」「6」「8」は縁起が良い数として好まれているという説もあります。

 

特に「8」へのこだわりは強く、北京オリンピックの開幕は2008年8月8日午後8時8分。

 

これは知りませんでした!

 

日本でも「8」は「末広がりの数字」として好まれますが、中国でも「発展」を意味する数字として愛されている数字です。

 

また、「2」はシンメトリー(対、左右対称)、「6」は「六六大順(物事が順調に進んでいる様)を意味する数字として、縁起が良いとされています。

 

このように、視点をちょっと変えてみると同じ数字でも印象はずいぶん違ったものになります。

 

もちろん、日本国内での法事では日本の慣習に従ったほうが良いですが、もし文化の違う方が常識外れな香典の金額を包んできたとしても、それは文化の違いであって悪意があるわけではありません。

 

これからの時代では葬儀に海外の方が来るということもよくあることでしょうから、これは頭の片隅に置いておきたいプチ知識です

 

偶数・奇数問題に加えて知っておくべきもう一つの常識

香典として包むなら偶数か奇数か?という問題に加えてもう一つ知っておくべきは「新札が良いのか、それともダメなのか」という問題です。

 

結婚式のご祝儀は新札を包むのが礼儀ですよね。

 

これは「新しい門出を祝福する」という気持ちを表すためです。

 

しかし、香典は逆です。

 

新札を包んだら、まるで”死“を先読みしてお金を準備していたみたいに思われてしまいますから。

 

・・・というのが理由なのですが、正直、「そこまで深読みする人っているかな?」とも思いますよね。

 

「死の知らせを受けて、慌てて銀行に行ってお金をおろしてきましたというニュアンスを伝えるならむしろ新札のほうが良いんじゃないの?」

 

「死だって一つの旅立ちじゃん。だったら新札のほうがむしろ縁起が良いのでは?」

 

なんて声もあるかもしれません。

 

実際のところ、遺族の方は家族が亡くなったことで精神的にいっぱいいっぱいでしょうし、誰が新札を包んできたかなんて気にしないでしょう。

 

しかし、古くから伝わってきたしきたりですから、相手が仏事に詳しい人であれば「失礼な人」「常識を知らない人」というレッテルを張られてしまうかもしれません。

 

また、厳かな場に招かれたのですから、やはり最低限のルールを勉強していくのは大人として当然のマナーです。

 

自宅に新札しかなかった場合は軽く折り目をつけましょう。(わざとくしゃくしゃにしたりシミをつけたりするのはもっと失礼です!)

 

それだけで、あなたの誠意は伝わるはずです。

 

「香典は一律3000円」はアリかナシか?

香典の金額について、日経ビジネスの記事で興味深い内容を見つけました。

 

女優の故・樹木希林さんは生前、誰が亡くなったとしても香典は「一律3000円」と決めていたそうです。

 

なぜそうしていたのか?その真相は希林さんに聞いてみないとわからないと思いますが、そこには「人の命はみんな平等」「相手を弔いたいという想いさえあれば、金額は関係ない」というお考えがあったように思えてなりません。

 

生前、希林さんは「人は必ず死ぬのに、長生きする技術ばかりが進歩していくなんて、なんと死ににくい時代なんだ」というような内容のこともおっしゃっていたとか。

 

確かに、「死」は誰にでもいつか訪れるものだというのに、私たちは過度に「死」を恐れ、なにかとても特別なことのように受け止めているように思えます。

 

だから、誰かが亡くなると「香典どうしよう」「金額は?」とあたふたしてしまうのかもしれませんね。

 

「人はいつか死ぬし、その命の重さはみんな一緒だ」

 

このような死生観があれば、希林さんのように金額で迷うこともなくなるでしょう。

 

偶数が良くないとか奇数が良くないとかいうことよりも、「死をどう受け止めるか」という考え方のほうが大事なのではないかと改めて気づかされるエピソードでした。

 

進む!香典のキャッシュレス決済

PR TIMESのデータによれば、コロナ禍でオンラインで香典を送る方が増えているとのこと。

 

⇒ 参考:PR TIMES公式サイト コロナ禍で近しい方を亡くされた500名に聞く「葬儀・供養」に関するアンケート

 

従来は現金オンリーだった香典が「キャッシュレスOK」、それが当たり前になったというのは結構大きな変化ですよね。

 

これまでのように、「この金額だったらこの袋を使って・・・」「あて名書きはこうで・・・」「使う筆は・・・」なんて形式的なことは一切気にせず、お金を振り込めば良いということ。

 

これについては古い世代の方ほど抵抗を感じるのではないかと思いますが、実際のアンケート結果では「抵抗が全くない」と答えた人が27.2%。

 

3割近い人が、「形式にこだわる必要はないんじゃないの?キャッシュレスで十分でしょ」と考えているということですよね。

 

ただ、年齢別に見てみると、20代と60代以上とでは3倍もの差があって、やはり上の年代の方々のほうが「抵抗がある」「失礼だ」と答えた割合が多かったようです。

 

死生観自体が大きく変わりつつある昨今ですから、この差は当然の結果と言えるでしょう。

 

そして今後は、「キャッシュレスでも問題ない」派がどんどん増えていくのではないでしょうか。

 

香典に限らず、これまで形式重視で行われてきたことは様変わりしていくことが予想されます。

 

葬儀自体もオンライン化が加速していくのではないでしょうか。

 

その変化を「良い」「悪い」とジャッジすることは誰にもできないのですから、少なくともこれからを生きる世代はその流れに合わせて柔軟に対処していくことが大事。

 

故人を偲ぶ気持ちがあれば形式にとらわれる必要なんて全くないのだ、ということを時代が証明してくれているようにも感じられますね。

 

増えてきた!ペットの葬儀に香典は必要か

コロナ渦ということもあり、ペットを家族の一員として迎える方も増えています。

 

動物は、言葉こそ話せないものの私たちに多くの幸せと気づきを与えてくれる存在。

 

人生を豊かにしたいならペットを飼うのも一つの選択肢です。

 

とはいえ、避けては通れないのが「死」。

 

昨今はペットの葬儀に招かれるケースも増えているといいます。

 

その場合、香典は持参すべきか?必要なのだとしたら金額はいくらがベストなのか?と悩まれる方も少なくありません。

 

ペットの葬儀に厳密なルールはありませんが、飼い主さんにとっては「家族」だったのですから、基本的には人間の葬儀と同じように香典を持参するのがおススメ。

 

金額は、相場が3000円、多くても5000円です。(人の葬儀と同様に、偶数は避けましょう!)

 

人間のように「万」単位の金額を包む必要はありません。(相手に気を遣わせてしまうという配慮から)

 

人によっては「ペットの葬儀に香典は不要」という説もありますが、親しい人を招いて葬儀をするくらいそのペットのことを大切に想っていたのですから、その気持ちに寄り添うことが大事。

 

正式な「葬儀」として招かれたのであれば、やはり持参することをおススメします。

 

一方、葬儀はしないまでもお悔みに伺う場合は、人間が亡くなった時と同じようにお花やお菓子(その子が好きだったもの)を持参するといいでしょう。

 

ペットオーナーにとって、ペットの死は身を切られるように辛い出来事です。

 

お金や物を渡すことに囚われず、喪失感に寄り添うことをなによりも大切にしてくださいね。

 

【まとめ】「縁起」を重んじる日本ならではの風習

「香典の金額は奇数でなければいけない」理由について解説してきました。

 

ポイントをまとめてみます。

 

  • 偶数は「別れ」を意味するので縁起が良くない
  • お札の枚数が奇数でも、金額が偶数なのは好ましくない
  • 香典の金額は故人との関係性や自分の年齢で決まる
  • 連名の場合は偶数や端数でもOK
  • 夫婦で出席する場合の香典の目安は「3万円」
  • 新型コロナウィルスの影響で葬儀の世界の常識も変わりつつあり、香典のクレジットカード払いも可能になっている

 

香典のルーツは、故人の霊前に供えるお線香や花。

 

ですが、現代では「お供え物を購入するために使ってください」という弔慰の意味がメインとなっています。

 

つまり、故人のためというよりは「残された遺族のため」という意味合いが強くなっているとも言えますので、なおさらルールやしきたりには注意が必要です。

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